大ごとにならないうちに抜きましょう!
前回、問題含みの親知らずが引き起こすトラブルについてご説明しました。
こうしたトラブルが起きているのに、「一時的に腫れただけだから」と抜歯を先送りにしたり
ご自分では気がつかなかったりしているうちに、さらに炎症が広がって起きるのが頬の腫れなどの「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」です。
蜂窩織炎とは、皮膚やその下の組織に起きる細菌感染症のこと。
とくに親知らずの炎症は油断禁物で、舌の下、頬、下あご、そして首へと、周囲の軟組織の隙間をつたって急速に拡大しやすいのが特徴です。
発熱して入院が必要になることもめずらしくありません。
炎症がお口を動かす筋肉にも広がり、口が開けにくくなったり、飲み込みにくくなってしまうことも。
それともうひとつ。隅に生えた親知らずが頬粘膜を噛んでひどい傷になることもあります。
繰り返し噛んで傷つけると、潰瘍をつくってしまいます。最初は「こすれて気になる」程度でも
徐々に親知らずが頭を出して生えてくるにしたがって、堪えがたい痛みに。
我慢しても悪化する一方なので、ひどい傷をつくり食事に差し支える前に抜いてしまいましょう。
『nico 1月号より』