《加齢によるお口の機能の低下とは?》
『健康なお口』
●引き締まったくちびるや頬 ●唾液が十分に分泌
●舌の動きも良い ●飲み込みにも問題無し
《お口の老化で何が起こる?》
【くちびるや頬の筋肉が衰える】
●咀嚼時には、くちびるや頬が食べ物をこぼれないように保持しています。
加齢のほか、日常的に動かす頻度が減ることでくちびるの頬や筋力は低下していきます。
●くちびるや頬の筋力が低下すると、食べこぼしや頬を噛むことが増えます。ほうれい線も目立つようになります。
【唾液が減ってお口が乾燥】
●唾液には食べ物をまとめたり、食べかすや細菌を洗い流す作用があるほか、飲み込むときには潤滑油の役割をします。
唾液の分泌は、加齢や持病のお薬の影響などにより減少します。
●唾液分泌が減少すると、お口が渇いたり、食べ物が飲み込みづらくなります。
お口の細菌も繁殖しやすくなるので、むし歯や誤嚥性肺炎のリスクが高まります。
【舌の筋肉も衰える】
●飲み込むときには、舌の根が口蓋まで上がることで、食べ物を喉に送り込んでいます。
舌は筋肉のかたまりですので、加齢のほか、日常的に動かす頻度が減ると、筋力が低下していきます。
●舌の根がうまく上がらなくなると、送り込むスピードが十分に出ないために、食べ物がのどの途中で止まるようになります。
潤滑油となる唾液がへっていると、スピードはさらに落ちます。
【飲み込みがうまくいかなくかる】
●喉頭蓋(のどぼとけのあたり)には弁があり、飲み込むタイミングにあわせて気管にフタをし
食べ物が気管に入り込まないようにしています。喉頭蓋の弁も加齢により動きが悪くなっていきます。
●喉頭蓋の弁の動きが低下し、フタをする動きが食べ物の通過に間に合わない、あるいはフタが外れるのが
速すぎるようになると、食べ物は食道ではなく気管に入り込み、誤嚥が起こります。
『nico 6月号より』