《お口の老化はなぜ怖い?》
お口の老化、つまりお口の機能が低下していくと、どのようなことが起こるのでしょうか?
まず思い浮かぶのが、「うまく食べられなくなる」ことですよね。
実際、「食べる」という作業は、歯だけではなく、くちびるや頬、舌、のどまわりの筋肉が協力して行われます。
舌やのどの動きが悪くなれば飲み込めなくなり、食べることが難しくなっていきます。
すると栄養が十分に取れなくなり、体力が低下して病気やけがをしやすくなるので、寝たきりになる原因となります。
ですが、それよりも怖いのがムセや窒息、誤嚥性肺炎です。お口の機能が低下すると、これらのリスクが非常に高まるのです。
「ムセはたしかに苦しいけど、何が怖いの?」と思われるかもしれませんね。しかし、気管に入った異物を吐き戻すという行為は
からだにとても負担をかけます。若いうちはなんともなくとも、お年を召した方には思わぬダメージとなりかねません。
また、ムセができているうちはいいのですが、お口の機能の低下が進むとムセて吐き戻す力が弱くなり、窒息の危険性が高まります。
誤嚥性肺炎は、唾液に含まれる細菌が肺に入って増殖し、炎症(肺炎)を引き起こす病気です。
『nico 6月号より』